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公衆電話の愛

1990年台半ば。私はプラットホームでキョロキョロしていた。右手にポケベルを握りしめて。

短歌にも満たない20文字足らずの文字を恋人に伝えるために、公衆電話を探していた。

当時パソコンの家庭での普及率は10%を切っていた。ポケベルは頼みの綱だった。

 

ポケベル自体に入力機能はない。相手のポケベル番号を入れてから、メッセージを数字で入力。

まだまだ、当時は、ケータイ電話、PHSは電話料金が高くて学生が長電話出来る代物ではなかった。

結局長電話をするなら、固定電話。

ポケベルに「何時に家に帰る?」「9時ぐらい」「じゃあ、9時ぐらいに電話してもいい」「いいよ」

なんて凍えながら公衆電話でやりとりをしていた。

 

今考えるとおそろしく不便だ。

しかしこのすさまじい不便さのおかげで、返事が遅くても不可抗力として許してもらえたのだ。

「長電話しなさんな!もう寝なさい!電話代ただじゃないのよ!」なんて怒られながら…。

 

あれから20年。スマホにはポケベルも電話機能も搭載、しかし

スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表して1月でまもなく10年。

アプリケーション機能を使えば、電話(LINEなど)もメッセージのやりとりもお金がかからない。

街からは公衆電話が一気に消えている。若者はテレフォンカードをどこに入れるのかもしれない。

 

20年前の私ならこう思っただろう。

「お互い誤解することがなくなるから、これで喧嘩も減るなぁ」と。

大好きな人に不可抗力で嫌われる危険性が減る。手をたたいて喜んだだろう。

 

しかし、実際に訪れた現実は…。

独身率は上昇の一途をたどり、恋愛を望まない若者の割合も急激に増えている。

なぜなのか。愛し合いたいだけ愛の言葉を分かち合えるのに、

誤解が生まれたならば、すぐに誤解を解くために電話をすることができるのに。

 

そう、愛は、情報手段や情報量が増えることだけでは、育むことが出来ないのである。

むしろ、手段が増えることにより、「不作為」による誤解も増えていく。

「なぜ、伝える手段があったのに伝えてくれなかったのか」という行き違いも出てくるのだ。

 

手のひらの中にあるものが恋愛を重くしてしまった

最近、私は非常に大きな不義理をしてしまった。しかもめちゃくちゃ恩のある人に対してだ。

その不義理自体は、知らない間にしたことだったが、あまりにも事が重大すぎて、

謝ることから逃げてしまう始末だった。(最終的には本当に奇跡的に大きな心で許してもらった)

 

手のひらのスマホには、電話機能、LINE機能、Facebookのメッセンジャー、Skype、Gmail、、、

数限りない通信手段がズラーっと並んでいる。

ボタンをどれか一つ押せば、相手に繋がることが出来る。

 

にも関わらず何もしない。

これは、何もしないこと自体が強烈なメッセージとなってしまうのだ。

 

情報のツールが増えるということは、不作為のほうが何かを伝えるよりも大きなメッセージになる。

昔は、「公衆電話がなかった」でごまかせたものが、嘘をつくことはほぼ不可能に鳴る。

 

つながる手段が増えるというのは、正直でいなければ関係が成り立たないというのと同じだ。

 

これを恋愛に置き換えて考えると、

20年前の恋愛よりもごまかしが効かないし、正直に向き合うことが求められていると言えるのだ。

 

ひとことで言うと、昔よりも恋愛関係を築くことが重たくなっている。

テキトーにできなくなっている。

 

 

「だったら一人でいいわ」「だったらセフレでいいわ」ってなっていく。

この現象が独身率をあげるのにおそらく、拍車をかけているのだ。

 

情報洪水の中で恋愛が難しくなったのではなく、

複数のツールで絡みあいつながりすぎるから、恋愛が辛くなっているのだ。

 

不作為によって恋愛が崩壊する。

情報洪水時代を生き抜く私達が絶対に忘れてはいけないことなのである。

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